その小僧はいつもスイミングスクールのリュックを背負って
店の駐車場前で待っている。スクールのバスが来るとそれに
乗って行く。
夏休みも10日前後しかないこの頃、小僧はリュックを背負
わずに退屈そうにうろうろ。これだけの日差しの下にも関わ
らずなんとか遊ぼうと苦悩している様子。
うろうろふらふらした末に店の駐車場まで入ってきた。
そんな光景は犬や猫、そして鳥なんかで経験済みだったが小
僧では初めてだ。
外に出て話しかけてみた。「夏休みは沢山遊んだ?」
「スイミングスクール行った」
「じゃ海とか川で泳いだ?」
「プールだけ」
「スイミングスクールのプ-ルだけ?」
「そう」
それ以上泳ぎに関する質問が出来なくなった。
「友達と遊んだ?」
「向こう側におるけ遊んだらいけんって」
向こう側とは道路を挟んだ先だ、確かに車が多く安全とは
言えない。
次の質問へ繋ぐきっかけがなくなった。
でも一番好きなのはお父さんお母さんだと言っていた。
小僧は唯一肯定的な事を言った。
「暑いけ中入る?」
「いや、いい」そういって小僧は花壇の周りをうろうろ。
その返事の先に「知らない人について行ったらいけん」
という言いつけが聞こえた。
店の駐車場前で待っている。スクールのバスが来るとそれに
乗って行く。
夏休みも10日前後しかないこの頃、小僧はリュックを背負
わずに退屈そうにうろうろ。これだけの日差しの下にも関わ
らずなんとか遊ぼうと苦悩している様子。
うろうろふらふらした末に店の駐車場まで入ってきた。
そんな光景は犬や猫、そして鳥なんかで経験済みだったが小
僧では初めてだ。
外に出て話しかけてみた。「夏休みは沢山遊んだ?」
「スイミングスクール行った」
「じゃ海とか川で泳いだ?」
「プールだけ」
「スイミングスクールのプ-ルだけ?」
「そう」
それ以上泳ぎに関する質問が出来なくなった。
「友達と遊んだ?」
「向こう側におるけ遊んだらいけんって」
向こう側とは道路を挟んだ先だ、確かに車が多く安全とは
言えない。
次の質問へ繋ぐきっかけがなくなった。
でも一番好きなのはお父さんお母さんだと言っていた。
小僧は唯一肯定的な事を言った。
「暑いけ中入る?」
「いや、いい」そういって小僧は花壇の周りをうろうろ。
その返事の先に「知らない人について行ったらいけん」
という言いつけが聞こえた。